告白は少し大げさなくらいがちょうどいい。
そんなことを言う人がいる。
強く、鋭く向いた相手への気持ちををストレートに
間髪入れず、濃密に相手に告げる・・・
そうしたら
「え?嘘?」
意表を突いて相手の退路が断てる。そんなところかもしれない。
しかし、実際はどうだろうか?
なんだか帰ってうさんくさいと思われやしないだろうか。
そんなこと風に思ってしまう自分はへたれだ。
まあ、そう思う訳なんだけれど。
夏目漱石が英語の先生をしていたときに、「I love you.」の訳で
「月が奇麗ですね」とあてたと言うのは有名な話。
日本人は告白するときに「貴方を愛しています」なんて言わない。
それがどうやら話のスタート。この和訳のベースなんだそうだ。
なかなかやるな、と思いつつ、
僕のロータスもこんなのに似ているな。
駅の山側のかなりうっそうとしげった並木の木漏れ日を浴びながら、そんな風に思った。
今に至るまで、最低限なのだ。
絶対に過剰ではないのである。
でもそれでちょうどいいし、その「ちょうどいい感じ」は過剰なことよりも贅沢だと感じさせる。打てば響く感じ。そしてその実性能は高い。
厳密にはそんなに高くないが、高いクルマに引けを取らない。
大げさな告白以上の「奇麗な月」
そういうものはあるよな。まさにロータスってそんなクルマじゃないかな。
だからこそ、この木漏れ日が奇麗で、風の気持ちのいい道を幾度も迎えに行けたんだとも思う。
でも「いいから乗ってみない?」というのは漱石先生と違う訳をあてたようなものなんだけど。。。他方、そういうことだったのかもしれないなあ・・・最初は「こんなクルマに乗るの?」と顔に書いてあった君。
今じゃあ、前につけると、自分でドアを開け自分で乗ってベルトを締めたりしているね。
それは「お返事」と受け取っても差し支えないのかしら?
「お待たせ、待った?」
2週間ぶりのドライブ。桜は逃したものの、それ以上の芽吹きが気持ちいいこんなときは
さて、どこに行こうか。
photogrpher:Masaru Mochida
model:Natsumi Sumi
writter:Kentaro Nakagomi