雨降るかな、大丈夫かな。
気がつけば初夏。
このわさわさした感じ、
停滞させてくれない感じ
まとわりつく湿気
やり場のない苛立ち、、、
生きてるなって気がするね。
爽快を求めて?
ううん。むしろこの生きている証のような、
雰囲気との戯れの為に、今日も愛車を走らせているのかもしれない。
ロードスターは森を抜ける。
ロードスターは森と同化する。
ロードスターは森と戯れる。
森の気配にささやきかける。
いっぺんにみんな並行してやろうとすると、
そのうちに
森がささやきかけてくるような。
風が口ずさむような。
土が袖を重ねてくるような。
そんな気持ちにさえなるもの。
私と木漏れ日を遮るもの。
私の自由を阻むもの。
私のあとに残る後悔。
何もないからロードスターなんだ。
あ、雨?
雨はしのげど、
森との戯れは終わらない。
だからこそ、幌なのさ。
君がロードスターに乗るとき、
だから僕は隣でいいのだ。
photogrpher:Masaru Mochida
model:Asuri Kamatani
writter:Kentaro Nakagomi