LOTUS EUROPA

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この街に住もうと決めたのも、そぼ降る雨の日のことだった。
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切り通しを伝い、苔を這う雨垂れでさえ生き生きと感じられ、なんの疑いもなく鬱々としたものと決めつけていた雨。それをこんなにも新鮮に、感じさせてくれる街。だからこの街に住もうと思ったのだ。
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江ノ電を降りると、小さな小川が流れている。
雨を集めてはケラケラと笑うかのよう。
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その川に沿って歩くと、傍らには紫陽花
もう反対側には、苔が生える岩肌をくりぬいたような電車のトンネル。
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カエルや鳥の声を聞きながら坂を登り切ると海がみえる。
雨の日はここを一駅歩くことにしている。
傘も買った。大したものではないが、

雨の日のために買った長靴だって履くとワクワクする。
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この街で雨を待っているかもしれない。
最近そう思うことすらあるのだ。
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そして同様にして買ったのが私のクルマ。
晴れたら乗るのは当然のこと。
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でもこの街で暮らすのだから、
「雨が降ったら迷いたい」もの。
そう思ったのである。
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だから雨の日は大そう威勢がいい。
そういうクルマがいいと思った。
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その点こいつは、
もうどうしようもないくらい、ちょっと踏んだらクルクルと始まる。
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今日も雨だ。
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梅雨ももうすぐ開けてしまうだろうか。

やけに執拗に、雨の中を走りたいと言っているように
感じられてならない。
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蒸すな。でもこの街の梅雨の匂いが僕は好き。

photogrpher:Masaru Mochida

model:Akari Suzuki

writter:Kentaro Nakagomi