彗星のごとし
みんなこれに憧れているのかもしれない。
こらえきれなくなったとき、すべてが一度溢れ出したら止まらない。
だから大変だよ、それはもう。
だって止まらないんだから。
彗星を憧れているとその前の静寂が、
まるでつまらないことのように思えてくるから不思議。
でもその静寂がとても価値のあるものだと気づくのは
止めどなく溢れ出したあと、ほとんどの場合。
こころ安らかに、ささやくように、ずっと何も起こらないような静寂も
いつ溢れ出すかはわからないのだから。
「彗星のごとし」
静寂もやがてふとほとばしることだってあるのだから、
柔らかな日差しのもとで、君がいくら微笑んでも僕はだまされないさ。
笑顔が飛び交い、花が咲き乱れ、幸せな昼もやがて夜の訪れとともに終わりを迎える。
必ずよるになるのだ。
よる、空には星が瞬き、彗星が飛び交う。
その頃にたら僕たちも出かけよう。
マルチェッロの描いたフォルムは星座のよう。
夜と一体になり、星のようにきらめくそのクルマに乗って。
君の本性もその頃になったらわかるような気がするから。
星が出るまでの安息を僕は満喫しようと思うよ♪
photogrpher:Masaru Mochida
writter:Kentaro Nakagomi
model:Ayumi Murakami