距離を重ねれば、思い出も増えるもの。
ずいぶん、ご無沙汰。
週に何度も出かけた横浜。
その度に食べたパンのかぐわしい香り。
心躍る風景。
その景色を羽ばたく鳥は自由の象徴のように思えた。
横須賀、鎌倉、箱根。
はたまた日光や秩父にも出かけましたね。
語りかけてくるような木漏れ日。
日陰に入ると、どこかひんやり。
静寂な森に佇み。
その景色の中で目を閉じる。
そんな日はずっと続くような気がしたけれど、 いつだかパタリと、ご無沙汰するようになりました。
もういいの。
と言いながら電車に乗って出かけ。
もういいの。そう言いながら旧街道の跡を歩いたりしました。
でもいいの、は全然良くないの裏返し。 いつもどこかで、あなたにふと会うのではないか。
会えるのではないかと、目で探す私がいました。
でも、いいのです。
あなたに会えたから、これでホントにサヨウナラ。
今日は心からそう思う。
あなたの後姿、それが何よりのはなむけなのだから。
photogrpher:Masaru Mochida
model:Saya Aoyama
writter:Kentarou Nakagomi