CITROEN SM
あんなに楽しそうな笑顔。見ているこっちまで楽しくなるようだった。 時が経つのも忘れて。 そしてむしのいいことに、いつまでもそんな時間が続くんじゃない かなんて、思ったりして。 むしがいいよね、良すぎるんだよね。 そうはい…
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Read Moreふらっと出かけるのは、いつものこと。潮のにおいのするこの公園にもよく訪れる。 ひんやりとした空気の中は、アクセルを踏み込むとパタパタと元気に走るさまがとても好きなのだ。 寒くなると空気が薄くなるような気がする。たぶん気の…
Read Moreひんやりとする。 気が付くともうこんな季節。 読みかけの本だけもって、まだ暗い街を出る。 そんな重要な、大事な予定があるわけでもないけど、 旅に出るときのような意気込みが妙に可笑しい。 ミラーを見ると、後塵ならぬ白い煙。…
Read Moreアミーチ アミーチ みんな友達。 アミーチ アミーチ みんな友達。 こぼれる木漏れ日 木々の間を抜ける風 まぶしく輝く草木の緑。 海を行く船の汽笛。 通りがかりの髭のおじさん。 ネクターの後味。 そんなのだって、みんな友…
Read More「お待たせしてしまって、すみません。」 彼女は間違いなく、そうとうの時間、ここで待っていた。 水曜日に私は彼女の会社を訪問した。ちょっとした提案を持って、情報交換をしに行ったという感じだろうか。古くからよく知っているその…
Read MoreL字に曲がっているシフトレバーを 操作する様子を何気なく見ていたら、 次第に胸の鼓動が高まり始めた。 細くて長い指。 少しだけ骨ばった部分に男性らしさを感じる。 &…
Read More大人のフリをした。 相手にされないと、 自分の気持ちに嘘をつき、 湧き上がる想いに蓋をした。 どうして素直にぶつからなかったのだろう。 時を経て想う。 もしあのとき…
Read More「夢か、淡い記憶か、思い過ごしか・・・」 正直定かではないのだ。 春霞のような、ファウンテンで水を加えたアブサンのような色の自動車と、 傍らにたたずむ一人の女性のこと。 若いころ、住んでいた郊外の街の、 公園通りの並木を…
Read More白いシャツ、引っ越しの朝。 寝坊である。昨夜のワインもまだ少し。 そうも言っていられない。 きつね色に焼けたパンにバターを塗ると、僕の朝も「溶け出した」ような気がした。 それをほおばり、一番手近な白いシャツを羽織った。 …
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