TVRDAY2015 / イベントレポ!!

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初夏を感じる去る6月初旬、TVRDAYが開催された。日本全国のTVRオーナーが集うTVRCCJ(TVR Car Club Japan)最大のイベントである。TVRをご存知ない読者の為にTVR とは何なのかを簡単に説明しよう。TVRとは英国のスポーツカーメーカーである。1947 年にトレバー・ウィルキンソン(Trevor Wilkinson )がイギリス・ブラックプールに創業、TVRの名称はこの名前のTrevorの略称からとったものである。
「スポーツカーというのは大馬力そして軽量であればそれでいい」という明快なコンセプト。まるでレーシングカーのようなマルチチューブラースペースフレームに軽いFRPボディを被せるという古典的なスポーツカー、それがTVRである。何度か経営者が変わり、2004年にロシア人実業家に経営権が移ったその後、2006年に営業を停止、実質的に経営破綻した。
ただ、最新の情報では元ブラバム マクラーレンのデザイナー、ゴードンマーレーがデザインしたTVRの新型車が2017年にコスワース製V8エンジンを搭載して発売されるというTVR復活のビッグニュースが流れ、TVRファンを沸かせている。
当日は日本全国からTVRが長野県車山高原に集結した。TVRDAYは前夜祭と総会の2日構成となっており、かくゆう筆者もTVRキミーラのオーナーであり、前夜祭から参加した。前夜祭のパーティでは各メンバーの自己紹介から始まり、各自が持ち寄った逸品でチャリティーオークションを開催、そして、その後はクルマ好き同士、夜遅くまでクルマ談義が続く。話は尽きる事がないのだ。翌日はいよいよTVRDAY当日。前夜祭から参加したTVRに新たなTVR が合流、30台近い台数が車山高原の駐車場に整然と並ぶ様は壮観である。
ここでいくつか代表的なTVRを紹介したいと思う。
今回参加した中で一番クラシックなTVRであるビクセン。エンジンはフォードの直4OHV1.6Lを搭載。オーナー自身でこの貴重なTVRを整備しているとの事。
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グリフィス エンジンはローバー系のV8エンジンを搭載し最終モデルは5Lの排気量となった。
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こちらは筆者のキミーラ。TVRで最も販売台数が多いクルマで当日も6台のキミーラが参加した。エンジンはローバーベースのV8エンジンを搭載し数種類の排気量が存在するが筆者のものは4Lハイカム仕様のタイプ。
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グリフィス、キミーラの後継モデルであるタモーラ。エンジンは純TVR製であるスピードシックスを搭載する。
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T350、タモーラをベースに開発された。Tバールーフとハッチバックが存在するが写真はハッチバックのタイプ。エンジンはスピードシックスを搭載。
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サーブラウ、TVR唯一の2by2の4人乗り。こちらの車両はTVRが開発したオールアルミ製V8エンジンのスピードエイト(AJP8)を搭載する。他にスピードシックスを搭載したモデルも存在する。
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そしてタスカン。スタイルもアグレッシブであるが見る角度によって色が変わる、目立ち度バツグンのクルマである。エンジンはスピードシックス。
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そして、最後にサガリス。これも非常にアグレッシブなデザイン。
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ルーフやリアのデザインも特徴的である。エンジンはスピードシックス。品質が格段にアップしたと言われている。
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一口にTVRといっても、かなりのバリエーションが存在する。殆どが300馬力以上のエンジンを搭載しながらABSもASCも付かず全てはドライバーに委ねられているというのがこのメーカーの性格を表している。
さて、車山高原で記念撮影を行った後、霧ヶ峰までドライブ。クラブメンバーは素晴らしい景色とワインディングを存分に愉しみながら、東急ハーヴェストクラブ蓼科リゾートへ移動。その後ハーヴェストクラブのレストランを借り切ってTVRCCJ総会が開催された。決算報告やイベントの企画などを話し合い無事総会は終了。その後は各自再会を誓って流れ解散となった。今回、事故や動けなくなるような車両トラブルが一台もなく、皆が最後まで楽しめるイベントとなった。
集まったクラブメンバーは年齢も職業もまちまち。TVRというスポーツカーを通してこういった親交が出来るのは大変に素晴らしく日本にもこういった大人のクルマ文化が根付き、更に日本のモータリゼーションが盛り上がれば嬉しい限りである。願わくはもっと若い方達にもスポーツカーの面白さを知ってもらい、TVRにも興味を持って頂けたら嬉しいと思う次第である。