ずっと続くかと思う楽しい時間。
時がたつのも忘れるほどです。
はてしなく続くと思うから
あんなに楽しく過ごせたのに。
しかし、ほぼ間違いなくこんな時間の後はあっけないもの。
いつしか、楽しいときが来ると
「ああ、もう少しでさよならかしら・・・」
そう思うようになったもの。
そういう意味では「夏」とは
なるほど、そんな若いころの恋のようなものなのかしら。
燃えるように暑くて、一瞬で過ぎ去ってしまう
儚いもの。
なぜ、
夏は「到来」とに言うのに、
秋は「訪れ」というのでしょう。
夏は「楽」、秋は「哀」だからでしょうか。
夏は「駆け抜ける」感じ。秋は一歩ずつアンダンテ。
実はそうではないんじゃないか。
なかなか来ない、ゆっくりゆっくりやってくるのが「夏の訪れ」
梅雨が明けてまだ間もないのに、早速到来するのが「秋の気配」
夏の儚さは寂しいものですが、その後訪れる豊穣の秋。
赤や黄色に染まり行く色は賑々しく、まさに歓びのとき。
ゆっくりゆっくりやって来たのだから、
堰を切ったように駆け抜けたい夏。
たちまち訪れる秋だからこそ
ゆっくりと過ごしたいのが秋。なのではないか。
そんな季節に限らず、クルマのことばかり考えているもの。
「夏のようなクルマと秋のようなクルマならどちらが良いだろうか。。。」
ふとそんなことを考えてみたり。
「このクルマなら、夏でしょ」?
あなたの顔に書いてあるようだったから。
いや、これは秋だよ。「駆け抜ける秋の訪れのようなクルマ」だもの。
でもね、そんなこういうクルマで、ゆっくりと流すなんていうのも悪くないものだよ。
一歩ずつ一歩ずつ。。。
あなたはただ微笑んでいるだけ。でもこれがいいのだ。
これからいよいよ長い秋のはじまり。
でもこの感じ、とても儚い。
そんな気がしてならない。
photogrpher:Masaru Mochida
model:Misaki Kobayashi
writter:Kentaro Nakagomi