梅雨入り間近の6月初旬、今年もこのシーズンがやってきた。かってのTVR本社に日本で唯一公認されていたTVRCCJ(TVR Car Club Japan)が主催するTVRDAYである。今年はTVRCCJ設立20周年というとても重要な年。クラブメンバーもそれを意識してか50台近くのTVRと60名を超えるメンバーがここ車山高原スカイパークホテルに結集した。
まずは参加車の紹介から。
TVRDAYと言えば外せないのがこのクルマ。TVRの中でも最もオールドタイマーなビクセン。実は今年、初めて2台のビクセンが参加する予定であったが、そのうちの1台がTVRDAYの直前にデフのトラブルで参加が出来なくなり、ビクセンが連なって走る姿を見るのは幻となってしまった。ただでさえ日本で数が少ないTVR、その中でも最も希少なビクセンのそろい踏みを是非見てみたいものである。
近代TVRのマスターピースとも言えるグリフィス。1t足らずのボディに300PSを超えるローバーベースのV8エンジンを搭載、人気を博したモデルである。
グリフィスの後継車として発売されたキミーラ。最も成功したTVRのモデルである。今年も6台のキミーラが参加した。
そしてTVRで唯一4人乗りのサーブラウ。その名の由来はギリシャ神話の怪獣からとったもの。
キミーラの後継モデルとして発売されたのがタモーラである。メーター類も液晶ディスプレイが付き、近代的になった。自社製エンジンであるspeed Six 350PSを搭載する俊足モデルである。
色合いも鮮やかなタスカン。TVRはカラーが豊富なことが特徴のひとつであるが、その中でも極め付けはカメレオンカラーであろう。見る角度によって色合いが変わる。この日もブルーやパープルなど、とても鮮やかなカラーのタスカンが目立った。
T350。自社製エンジンであるSpeed Sixを搭載。Tバールーフモデルも用意されている。
トリを飾るのは、サガリス。このクルマが後ろからきたらとてつもないプレッシャーを感じるであろう。比較的優しい顔が多いTVRの中で最も強面のTVRである。
TVRDAYは前夜祭と総会の二日間で構成される。初日の前夜祭では懇親を兼ねたビュッフェ形式の食事のあと、20周年特別企画としてTVRCCJの歴史が紐解かれた。
また、TVRオーナーにとって貴重な整備に関する情報なども公開され、各メンバーは真剣に聞き入っていた。
そして、この日最も盛り上がったのが、チャリティーオークション。各メンバーがそれぞれ貴重な逸品を持ち込みオークションが行われる。今年は何と例年の2倍の売上を記録、全額が熊本の震災に対する復興金として寄付された。
さて、翌日がTVRCCJ総会。会場は美しい女神湖に隣接するホテルアンビエント蓼科で行われた。幹事の承認や事業報告が行われた後、各自の自己紹介が行われとても和やかに無事総会を終えた。
その後、ホテル近くの園地にてティータイム。各自クルマに関する話題は尽きる事がない。
クルマ好き、しかもTVRという希少なクルマのオーナーが集うこのクラブ、とてもフレンドリーで紳士的なクラブである。職業や年齢もまちまち。TVRというクルマを通してこれだけの人が集まり楽しく過ごせるのはTVRというクルマがこの上なく魅力的であるからであろう。オーナーでまだクラブメンバーになっていない方は、この会に入ればTVRの楽しみが2倍に増える事は間違いない。入会金も年会費もないので気軽に問い合わせてみてはいかがだろうか。
こういった大人がクルマを楽しむ姿を見て、是非若い方たちにももっとクルマを楽しんでほしい。ハードウェアとしてのクルマに興味を持つのも楽しいが、クルマを趣味とする人が集まるイベントは参加してみて初めてその楽しさがわかるというものである。
TVRCCJ オフィシャルページ
Writing:内田栄治