FIAT X1/9
あなたにとってこのクルマは? そういう言う質問が一番困る。 あることが当然だけれど、別にとても重い存在なわけでもなく。 むしろ圧倒的にその軽さ。挙動からくるその感覚が、存在そのものにも影響してくるほど。 朝霧のよう。そん…
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Read More束の間、私の傍らにいて。 覚めるように視線を奪うもの。 無邪気に、夢中になっていた私を止める甘美な歌。 忘れられない、あの人に抱かれるかのように、すべてを忘却の彼方へと追いやるかぐわしい香り。 それらすべてを征服した。 …
Read More一番清涼で輝かしい朝と、皆が寝静まった街の静寂さを僕は独り占めにしていた。 といえば、聞こえはいいが、明け方にうちを出ては終電で帰る、そんな暮らしをどのくらい続けただろうか。当時はそんな気になることもなかったけれど、それ…
Read Moreごく稀に、これは夢なのではないか、と思うことがある。 夢心地なのではなく、現実だと思って向き合ったことが、実は現実ではない、という。 なんとも虚しい。非常に虚しいものだ。 でも夢とは虚しいものさ。夢だから虚しくたっていい…
Read Moreちょっと駅まで送ってくれない? そう言うと「いいよ」という返事の前にエンジンをかける。 少し寒い朝はやはり少し、のっけ、高回転でスタートするのが常だ。 「早く、まだぁ?あったまったよ」 車内のことではない。エンジンだ。 …
Read More「歴史を紡ぐ」と言う表現がある。 果たして本当にそうだろうか、とときどき思う。 時にがむしゃらに・・・ あくまでも淡々と・・・ そしていつも飄々として・・・ いつものやり方で切り抜ける。 紡ぐという表現は、 なんだか連綿…
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